愛している
愛していた
気付けば、お前だけを心から望み
―――――愛していた
+++++ それがいけない事だと知っていた +++++
どうして
どうして俺たちは
姉弟として出会ってしまったんだろう
でも分かっている・・・・
姉弟として出会わなければ、
俺は瞳の事を知らなかったままだろう。
でも、それはきっと瞳も同じことだ。
姉弟だからこそ、肉親だからこそ、外では見せない姿を知っている。
俺のことを「ぐっちゃん」と呼ぶ楽しそうな声とか
料理が凄まじく下手なところとか
雷が苦手なところとか
風呂あがりの甘い香りも
家でいるときの無防備な姿も知っている。
でも・・・惹かれると分かっているなら姉弟として出会いたくなかった―――
もし、神がこの世にいるというなら
どうして俺にこんな想いを・・・・
瞳を愛させた・・・・
自ら姉弟間の繋がりを禁じておきながら
どうして俺と瞳を姉弟として引き合わせた・・・
瞳は知らない。
この浅ましい想いを抱いてしまった愚かな弟を、
決して叶うはずのない感情に囚われているということも・・・・
本当は、それがいけない事だと知っていた
理解していた。
それでも、この壊れた恋情を止めることなどできるはずなかった。
抱きしめれば、あまりに細く柔らかくて甘い優しい香りが俺を包んだ。
壊してしまいそうだと思ったこともある。
あまりの愛おしさに離したくないとさえ願った。
静かに眠る彼女の唇を感情の意味さえ知らずに奪ったこともある。
自分の感情にまだ気づいていない時から瞳以外どうでもよかった。
この気持ちに気付いてしまえば、もう瞳以外「女」には見えなかった。
俺は禁忌に足を踏み入れた。
気付けば止められず加速する感情。
もう、引き返せない。
「・・・・・瞳・・・・・愛してる」
あふれ出る感情を止めるすべはない。
彼女さえいれば、もう何もいらない。
紅蓮は静かな部屋で一人、
自分の気持ちをポツリと、とても小さな声で言葉に出した。
それは彼女ただ一人に宛てられ
決して届かぬ、届いてはならない愛の言葉。
――――――――― End
>>>>>あとがき
お久しぶりです。
こっちの更新はかなり久しぶりです。
初。マメプリ。
紅蓮君のお話。(独白)です。
初物なんで可笑しいところがあっても許してください(´;ω;`)
てなわけで・・・・書き逃げ!!ε=ε=ε=ε=(>△<)ノ
h19.8.8
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